1.検討・初期確認
事業の特徴、売却理由、概算価値、買収目的を確認し、調査すべき論点を整理します。
会社を買うときには、株価算定や財務DDだけでなく、そこで分かったことを買収条件や引継ぎに反映し、買収後の管理につなげる必要があります。
特に小規模M&Aでは、買収した会社に管理部門がなく、経理、資金繰り、労務、契約管理などを社長が一人で抱えていることも珍しくありません。
買収前の調査と、買収後のPMIは別々の仕事ではありません。
買収前に何が分かり、何を買収条件として決め、買収後に何を整えるのか。最初から一つの流れとして考えることが重要です。
財務DDの目的は、問題を見つけて報告書を作ることだけではありません。
発見した問題が、株価に影響するのか。契約や引継ぎ条件に反映すべきなのか。買収後に改善すべきなのかを整理する必要があります。
小規模M&Aでは、問題が見つかっても、買収前にすべて解決できるとは限りません。
そのため、買収前に対応することと、買収後に引き継ぐことを分けて考えます。
事業の特徴、売却理由、概算価値、買収目的を確認し、調査すべき論点を整理します。
価格の考え方、調査範囲、独占交渉、今後の予定を確認し、認識のずれを減らします。
利益、資産・負債、税務、資金繰り、管理状況と、社長に依存する業務を確認します。
DDの発見事項を価格・契約・前提条件に反映し、引渡す資料と権限、対応期限を決めます。
通帳、印鑑、契約、アカウント、業務と判断を、事業を止めない順序で引き継ぎます。
月次数値、資金、労務、契約、ITとDD指摘事項を、買い手が継続確認できる仕組みにします。
小規模M&Aでは、財務DDで発見した問題が、そのまま買収後の課題になることがあります。
重要なのは、問題を指摘して終わるのではなく、次の対応へつなげることです。
買収前から買収後までをつなげることで、「調査では分かっていたが、買収後に誰も対応していない」という状態を防ぎます。
| 買収前に分かったこと | 買収前に決めること | 買収後に整えること |
|---|---|---|
| 月次決算が行われていない | 利益の実態と、買収後に必要となる資料を確認する | 毎月の数字を確認できる仕組みを作る |
| 社長しか業務を把握していない | 社長の退任時期と引継ぎ条件を決める | 業務を見える化し、買い手側へ移管する |
| 資金繰りが把握されていない | 買収後に必要となる資金を見積もる | 入出金、支払予定、資金残高を管理する |
財務DDで問題を発見できても、買収後の実務を想定していなければ、必要な引継ぎ条件や改善方法までは決められません。
買収後に何が起こるかを考えながら、買収前の確認項目を組み立てる必要があります。
すべての案件で、株価算定、財務DD、PMIの全部が必要になるわけではありません。
対象会社の規模、管理状況、売り手社長の退任時期、買い手側の管理体制などによって、必要な支援は異なります。
例えば、次のような関わり方があります。
買収後の会計処理として、必要に応じてPPAを行う場合もあります。
案件の途中からでも、必要な部分に絞って対応します。
まだ買収を検討している段階でも、財務DDの途中でも、買収後に管理上の問題が見つかった段階でも構いません。
現在の状況を確認し、買収前に対応すること、買収条件へ反映すること、買収後に整えることを整理します。